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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

広瀬アリスは体調不良で舞台降板 タレントの仕事は少なすぎても多すぎても困りもの

公開日: 更新日:

 かつて狂言師の和泉元彌が一気にブレークしたとき、殺到する仕事依頼に母親がダブルブッキング。メディアを賑わせる騒ぎになったことがあった。

 仕事はなくても困るが、多すぎても困るもの。俳優の世界は「仕事を選べるようになって一人前」といわれるが、若手時代は事務所の裁量で仕事を決めることが多い。

 事務所はスケジュールを調整するだけだが、俳優の体はやがて悲鳴を上げる。元アイドル歌手から聞いた話を思い出す。

「ピーク時は夢中だったけど、体は限界を超え倒れた。病院に行くと医者から“このまま続けたら死んじゃうよ”と言われたこともある。倒れるまで続けるか、倒れる前に手を打つかです」

 広瀬の事務所からはスケジュールに関する言及はなかったが、この一件は仕事の選択という問題提起にもなったと思う。特に若手女優はブレーク後の対応が難しい。最近は朝ドラがきっかけで主役も脇も注目され仕事も増える。「仕事を選ぶか」「すべて受けるか」、二者択一。アリスは朝ドラ「わろてんか」の脇役で注目を浴びて徐々に頭角を現した。脇から主演の座を掴むまで時間はかかったが、ついに同時期2本主演まで務める人気女優になった。これが吉と出るか否かの答えは先だが、当面は主演ドラマの視聴率が問われるのがドラマ界の宿命だ。単独主演の「恋なんて──」の初回平均視聴率は7%。2桁が合格ラインといわれるだけに、スタートはイマイチだった。

「初回はご祝儀もあり2桁は見込まれていた。今後も伸びるかは難しいところ。主演ドラマの視聴率は今後の仕事にも少なからず影響する」(テレビ局関係者)

 体調不良と舞台降板。思いのほか伸びなかった視聴率。ブレークと同時にアリスに突き付けられた課題だ。

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