NHK朝ドラ「ちむどんどん」正念場…識者も「おとぎ話すぎる」「絵空事に見える」と超辛口
作家の麻生千晶氏も「目の肥えた今どきの視聴者を相手にするには、さすがにおとぎ話すぎる」と辛口だ。
「朝ドラですから、明るくて奇麗な主人公が苦難を乗り越え生きていくという話であっていいんです。しかし、ディテールが雑すぎる。借金まみれで肉体労働までして子供を育てている未亡人の仲間由紀恵は、あんなに奇麗な割烹着を着ていて品があるものでしょうか。お金に苦労していたはずなのに、長女はあっさり学校に行って先生になっていたり、東京に出て行った不肖の兄は、たった数カ月で借金して実家に送金できるものでしょうか。今週から暢子は上京しましたが、なんだかんだあっても周りにチヤホヤされてうまくいく展開が透けて見えてしまう。そんなに人生スイスイ行くものではないでしょう」
■「ん」で終わる朝ドラはヒットするというジンクスが
麻生氏は、「すがすがしくて芯のキツそうな黒島結菜や沖縄復帰と主人公の成長を重ね合わせる展開には期待していた」としながらも、さらに付け加えた。
「沖縄を描くなら、もう少し地に足をつけた現地の視点が必要だと思いますね。基地の問題など、沖縄の歴史や現実をドラマの中で描くのは難しいとは思いますが、どこかにそうしたにおいだけでも入れておかないと。朝ドラのパターンがあるのもわかりますが、表層的な“東京目線”だけで描くと、何を書きたいのかのバックボーンが見えてこず、単なる絵空事に見えてしまう」
タイトルの最後が「ん」で終わる朝ドラはヒットするというジンクスもあるが、“なんくるないさ~”とばかりも言っていられないはず。東京編になって挽回できるか。正念場である。