フジテレビ「70歳新社長」への期待と不安と“老害批判”…背後に日枝相談役の陰?
港氏は早大卒業後、1976年にフジテレビ入社。バラエティー担当局長などを経て、2013年に常務取締役、15年から共同テレビ社長を務めている。さて新社長はどんな舵取りをしていくのか。
「バラエティー中心の編成でこの窮地を乗り切っていこうということだと思います」と、ベテラン放送担当記者はこう言う。
「トレンディードラマが大ヒットして、社会現象になったような時代に戻りたくても、先立つカネがない。準備に約2年はかかり、脚本からキャスティング、さらにギャラだセットだロケだと、労力も制作費もかさむドラマは当たれば局のイメージアップにもなり、もちろん儲かりますがリスクも大きい。たとえばバラエティーならば、セットを一回組めば半年使い回すこともできます。最近は生花も飾れず造花ばかりですけど画面越しに見たら大差ありませんし、ギャラだって若手のお笑い芸人を出せば1万円程度で済んだりします。中身だって視聴率の良いコーナーを増やし、良くないコーナーを削ったりできますから、お手軽かつ格安なんです。じり貧の局事情からすれば打ってつけの人材でしょう」
かくして、格安お手軽なバラエティー路線へ突き進むのか。日枝氏らによる長老政治を老害と批判する声は以前からあるが、「期待とか不安ではなくもはや絶望ですよ」(別のフジ局員)という声を70歳の新社長はどう受け止めるのだろうか。