熱海五郎一座が開幕 一日も早く何も気にせず大声で笑える時代を願って
浅野さんは女親分の役で「任侠」の部分をビシッと支えていただいている。以前から毎回見に来てくれるほどのこの一座のファンであるから、座組には一瞬で溶け込んだ。普段は喜劇などやらない女優さんが、座長の三宅裕司さんの演出で爆笑をかっさらうのは、毎度見ていて気持ちがいい。
普通喜劇というものはどうしても導入部分はネタ振りであるからいきなり爆笑を取るのは難しい。しかし熱海五郎一座だけはもう最初からドカンドカンとよくウケる。これが特徴だ。
もちろん笑いはお客さまが多いほど大きい。ずっと満員でやってきた座組だけに、コロナ禍で客席が少し寂しい日があると悲しい。とくに商業演劇は高齢の皆さまにファンが多く、その方たちはとにかく人混みを避け外出を避けている。
これが何年も続くと、体力も落ち心が塞ぎ、そのまま寝込んでしまう人も多いだろう。
気持ちを沈み込ませてはだめだ。笑っていなければ、心の闇は広がるばかりだ。日常は我々自身で取り戻さねばならない。感染対策はしっかりとしながら、ポジティブにアクティブに生きていこう。