アフガニスタン退避作戦 カブールの前ソマリアで起きていた“ミラクル”
退避作戦において明暗が分かれた韓国と日本だが、爆弾テロが起きる前に脱出できたかどうかが運命の分かれ目になった。この“カブールの奇跡”は韓国で大々的に報じられた。その後、日本政府も民間機を利用して退避オペレーションを継続し、約500人を退避させたのだが、韓国ではあまり知られていない。
“カブールの奇跡”が起きた頃、韓国でタイミングよく公開されていたのがアクション大作映画「モガディシュ 脱出までの14日間」だ。
タイトルの「モガディシュ」はソマリアの首都名。1991年、ソマリアもまた内戦が激化。このとき駐留していた韓国大使館員たちの命がけの脱出を描いている。単なる脱出劇ではなく、当時、激しく対立していた北朝鮮の大使館員たちと協力し、一緒に脱出したという実話に基づいている。映画公開後にアフガンでの出来事が報じられたのは、まさに“ミラクル”といえる。コロナ禍なのに360万人もの観客を動員したのだから。この映画を見ると、内戦が起きた国の混乱した状況や、空港にたどり着くまでの道のりがいかに困難か想像できる。
いつか“カブールの奇跡”も映画化されるのではないか。エンタメを国家戦略にしている韓国だが、何かとドラマチックな出来事にも事欠かないようだ。