アフガニスタン退避作戦 カブールの前ソマリアで起きていた“ミラクル”
昨年8月、アフガニスタンで混乱が起きた。武装勢力タリバンが全土を掌握し、大統領府を占領。ガニ大統領(当時)が国外に脱出し、民主政権は崩壊した。駐留米軍をはじめ、日本や各国の大使館職員らも退避する事態となった。
ところが、日本政府の退避オペレーションは失敗し、現地で救出できたのはわずか10人程度。当初想定していた約500人もの日本大使館のアフガニスタン人職員らを置き去りにしたまま自衛隊は撤収することとなった。
一方、韓国は“ミラクル(奇跡)”と名付けられた作戦により、390人もの現地スタッフと家族の救出に成功。一度はカタールに退避した韓国の外交官ら4人が再びアフガンの首都カブールに戻り、現地に残された人々のためにバスの手配や連絡を行い、水面下で作戦を遂行していたという。
カブール空港までのバスには米軍も乗っていたが、途中でタリバンに足止めされたり、エアコンの効かないバスに半日以上も閉じ込められたりと、映画さながらの危機を乗り越えて空港に到着したという。空港近くで大規模な爆弾テロが起きたのはその翌日。カブール市内が大混乱に陥る前に離陸できたのだ。