「シン・明菜」宣言の行方…40周年での再始動は歌手・中森明菜を世に問うライトチャンス
公式サイトの写真には直筆で「Re-birth」とあり、加藤氏はこう続けた。
「復活するなら、新しく生まれ変わった自分をという気持ちなのだと思います。これは『シン・明菜』宣言ですよ」
アイドル歌手の華やかなりし80年代にして、当たり年の「花の82年組」。16歳のときにシングル「スローモーション」でデビュー、同年の2枚目「少女A」で瞬く間にスターダムにのし上がっていったのは中高年世代には今さらの話。だが、「デビュー曲から、卓越した表現力を見せていました。これはもう、天性としか言いようがない」と加藤氏は言った。
だが、2017年暮れのディナーショーを最後に、活動を休止。公の場から姿を消していたため、最初からトップギアでの明菜を求めるのは酷というもの。期待の集まるNHK紅白歌合戦への出場など、周りに惑わされず、マイペースで活動し、ファンも温かく見守るべきだと加藤氏は提案する。長く明菜を取材するベテラン芸能記者、青山佳裕氏はこう言う。
「完璧主義者にして繊細な明菜さんは、復帰を常々願ってはいても、いまひとつ自信を持てないでいたと思います。そんな彼女の背中を押したのは、40周年の節目であることはもちろん、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻で不穏で不安の広がる今、復活を求めるファンの声の大きさだったのではないでしょうか。これ以上、復活を待望する声はもうないかも知れない。歌手中森明菜を世に問う最後のチャンスと考えているように見えます。相当の覚悟がうかがえますね」