安倍氏銃撃事件がモデルの映画「REVOLUTION+1」は大盛況! チケット売り切れ&立ち見続出
「日本は社会も政治も底が抜けて、中身ってのがもう、なくなってる。今の若者なんて、僕らの世代の若い頃よりもっと悲惨な状況に置かれていると思いますよ」
そう元日本赤軍で、映画監督の足立正生氏(83)は訴えた。安倍元首相銃撃事件の山上徹也容疑者(42)をモチーフにした新作「REVOLUTION+1」緊急特別版の上映が国葬前日の26日から全国のミニシアターなどで売り切れ続出の人気となっている。歌舞伎町のシンボル、新宿東宝ビル前の雑居ビル地下にある「ロフトプラスワン」での初日はトークイベントも大盛況。立ち見まで出て、ドキュメンタリー作家の森達也氏(66)らの姿があった。
映画は山上容疑者をモデルにした主人公が、ビデオカメラに偽装した手製の銃を安倍氏に向け、引き金を引くに至るまで、獄中からの回想で描かれている。父は自殺し、兄は失明、母は新興宗教に身を投じ、多額献金の末に自己破産。それできょうだい3人、極貧のなかで追い込まれ、ベンジンを飲んで自殺未遂するなど、絶望の淵にあえぐ。
「底抜けのなか、生きるためには中身から、自分たちでつくり出すしか、具体的なものは何もない。そうした若者たちと対話できるようにしようというのが、今回の映画をつくった本意」と足立氏は続けた。地縁も血縁も分断されたような日本で、すべて自己責任とばかりに社会に放り出された若者たちの絶望に思いを寄せた。