NHK大河「鎌倉殿の13人」“劇伴”への違和感…音楽にもウソが通る社会が反映される
視聴者の受けも悪くないようで、「感動した」「大河にクラシックは素晴らしい」といった声も多いようだ。
私はどうにも違和感を禁じ得ない。これだけ引用が多いと意識的にやっていることは明らかで、「たまたま既成の曲と似てしまった」というレベルではない。もとより悪意があるはずもないのだろうが、私などは「剽窃(ひょうせつ)」だと考えてしまう。
もちろん「鎌倉殿の13人」は優れた作品だし、作曲家のコール氏も、ゲームやアニメの音楽を多く手がけてこられたようだが、才能のある人なのだろうと思う。「著作権が切れてパブリックドメインになった過去の名曲を引用したぐらいで、目くじらを立てるな」と言う人もいるかもしれない。
私の考えが古いのだろうか? それでも「世の中の方がいつのまにか本筋からそれてしまったのだ」と思うことにしよう。
ここまでくると、劇伴の概念が変わったというより、社会が変わったのだと考えるしかない。ドラマ音楽のひとつにも、変質した社会の影響は必ず反映される。その変化はどこから来たのか? やはり安倍さんが総理大臣に就任して以来のことに思える。