消えた昭和の10代男性アイドルたち…伊丹幸雄と城みちるはビートたけしにイジられ復活
城みちる
同じくたけしにイジられて復活したのが57年、広島県出身の城みちる。72年、「スター誕生!」出身。デビュー曲「イルカにのった少年」は50万枚の大ヒットになった。伊藤咲子との熱愛については前回取り上げたが、みちるは3年間の歌手活動後、実家の電器店を継ぐという父親との約束を果たすため引退し、広島に帰郷した。その後、家業を辞めて東京である人物の運転手をやり、どうにか生活できる程度の貧乏時代を過ごしていた。
やはり、たけしが漫才やラジオで「イルカにのった少年はどこ行った?」とネタにした。それがきっかけでたけしとの会食が実現し、「『風雲!たけし城』(86~89年)に出ないか」と誘われ、芸能界復帰がかなった。もっとも、18年の本紙インタビューではこう語っていた。
「黄色いフンドシして、亜仁丸レスリーとか元相撲取りに交じって一般参加者とも相撲を取ったり。僕はケガばっかりして。左腕は骨折。『城みちるが久々にテレビに出たらあんなことしてるよ』とさんざん言われた」
だが、番組はヒットし地元・広島のテレビ局から「復帰したなら番組やりましょう」とのお誘いが。48歳からは、亡くなった父親との約束で老人ホームの慰問を始め、その数は還暦までに1000カ所を数えた。ボランティアなので音響設備を乗せたキャンピングカーで寝泊まりして旅する日々……。
「お風呂は銭湯。1つの都道府県に1週間いられれば10施設くらい回ったり……。『イルカにのった少年』で、永遠の一発屋をキャッチコピーにしたい」