映画「TOCKA」で自殺ほう助するヒロイン役 菜葉菜「存在自体は否定したくない」
今年1月、SNSで知り合った複数の10代女性の自殺を手助けした男の事件が世間を騒がせたが、偶然にも自殺ほう助をテーマにした映画「TOCKA[タスカー]」が間もなく公開される。
ある事情から死ぬ必要を感じている中古電器店経営者(金子清文)が、ネットで出会った女性に自分の殺害を依頼するストーリー。実はこの映画も、日本と韓国で起きた別の嘱託殺人未遂事件を基に着想されたという。
劇中で依頼を承諾するヒロイン・本田早紀を演じた、菜葉菜さんに話を聞いた。
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「早紀は地方出身で、上京して歌手になる夢が破れて、進む道を見失っている子です。そんな孤独なときに人に頼られ、ある種の使命感と、そのときの勢いもあって引き受けてしまう。私自身は東京出身で、保育士として働いた後に女優になれたので、彼女と同じ苦労をしたわけじゃない。でも、私にも身近な人が自ら死を選んでしまった経験があるんです。だから主人公が面識もない早紀に手助けを頼む、その行為自体は悪いことだけど、一方でそうせざるを得なくなった人間の存在自体は否定したくない。そんな早紀の気持ちを、自分の経験と照らし合わせて解釈しながら演じることができました」