水谷豊が「帰ってきたマイ・ブラザー」に ベテラン俳優が舞台に出演する諸事情
しかし、S席1万1000円、A席8000円、B席5000円と高めの料金設定でも、制作費を考えると主演者に支払われるのは「1ステージで、その4分の1ぐらいだろう」と演劇関係者は話している。
「相当割安でも出てくれるのは、舞台出身の人が多く、観客の生の反応も含めて楽しいからでしょう。悪く言えば、ストレスの解消みたいな部分もあるでしょうね」
とはその関係者だ。水谷、寺脇はドラマ「相棒」を終えたばかりだが、すぐに次のドラマが決まるという状況ではない。数多くの2時間ドラマで主演してきた寺脇や高橋は、今や2時間ドラマそのものを作らなくなってしまったテレビ事情で露出度が減っている。まあ、それぞれCMの出演があって困っているということではないのだが、暇を持て余すよりは、充実感のある舞台に出た方が楽しいわけだ。
そのテレビドラマは、若い世代に見てほしいというスポンサーが多いこともあって、人気の若手俳優の主演が決まっても、大物を脇で出演させるというのが予算的に厳しくなっている。制作費を低く抑えていきたい事情がモロに出ているのだ。それは映画の製作現場でも同様だ。
しかし、WBC人気を見ても分かる通り、テレビがオワコン化しているわけではない。こうしたベテランをきっちり起用し、いいものさえ作れば視聴率も出るはずなのだ。