著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

故・宝田明さんが語った少年時代の壮絶体験「戦争なんて愚かなことはやっちゃだめですよ」

公開日: 更新日:

■11歳の時、ソ連兵から銃撃されて…

ゴジラシリーズ」の撮影中はジャングル(セット)を逃げ回ったり、岩場を走り回ったり、生傷が絶えなかったそうですが「僕は本物の機関銃で撃たれた経験があるから、少々のことは平気でしたよ」とおっしゃる。トミーズの雅君が「どういうことですのん? ホンマの機関銃で撃たれてるて」と聞くと、「終戦前(1945年8月)に満州にいたんだけど、突然ソ連兵が現れて機関銃を乱射してきて、その一発が腹に当たっちゃったんですよ」とカメラにお尻を向け、ズボンを下げて、司会のトミーズたちに右下腹部にある傷口を見せてくださいました。それが11歳の時で「軍医さんが銃弾の摘出手術をしてくれたんですけど、麻酔がないんですよ」「え!? 麻酔なしですか!?」「そう。棒切れみたいなものに白い布をまいて、舌を噛まないように口にくわえさせられてね」「痛いでしょ?」「表現ができないぐらい痛いんだけど、人間てうまくできてるんですね。我慢の限界がきたら気を失ってわからなくなるんですよ! それで助かったんです、ちょっとすごいでしょ! その時、俺は不死身なんだな~って思ったね~」と笑い話のように明るく話されながら「戦争なんて愚かなことはやっちゃだめですよ」としみじみ話されていました。

 昨年87歳でお亡くなりになられましたが、天国で後進の作った最新作の「ゴジラ」をご覧になって、思いを馳せておられることでしょう。

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