不良が酒とたばこピタリやめ 渡嘉敷勝男を変えた先輩の雄姿
■現在は「飲み会チャンピオン」
そんな環境だったせいか、憧れのヒーローといえば、東映の「網走番外地」「昭和残侠伝」シリーズの主人公、高倉健さん。中学生の頃から健さんになりきって、義理と人情でケンカばっか。だれかがイジメられてると見過ごせなくて、ついつい助けに行ってました。
高1の時、仲間がカツアゲされたことがきっかけで40対1のケンカになったことがあってね。あんまり僕が堂々としてるもんだから、殴り合いの前に向こうがビビって謝ったんですけど、まず負けたことはない。
高校卒業したら、ヤクザになるのも選択肢のひとつだと思ってたくらいだから、高校生なのに、酒もたばこも、女も当たり前。絵に描いたような不良でした。
そんな僕を百八十度変えたのが1977年1月の具志堅(用高)さんの初防衛戦。身長も体重も僕とそれほど違わないのに、3ラウンドでダウンを奪われたものの、逆転判定勝ち。シビレましたね。
もう、その瞬間から目標は健さんから具志堅さんなんです。その日限りで酒もたばこも、女……は想像にお任せするとしてピッタリやめて、翌朝から15キロのロードワークと上京資金を貯めるためにバイトの毎日。高校は2年で中退しました。