自撮り熟女写真家マキエマキが「昭和エロ」に執着する理由
――写真集では、写真をピンク映画のポスター風にデザインしているものも多いですね。
「40代前半のデザイナーの夫との共同作業なんですが、“ここは書き文字風の書体で”“色は原色で毒々しく”と言っても、分かってもらえないときがあります。さすが“肥だめのにおい”を嗅いだことがない世代だなあ、と思います(笑い)」
――「昭和エロ」の特徴はひと言で言うと何でしょうか。
「女性の人権をあり得ないほど蹂躙してるというか……まあ『男のファンタジー』ですよね。“イヤよイヤよと言ってるけど、もうこんなに濡れてるじゃねえか”とか(笑い)。そういう露骨でダイレクトな妄想を、私自身も楽しみながら演じてる感じです。こういう世界が好きなんでしょって。“男の欲望”をジョークとして再現してる感じです」
――どこかに笑わせてるところはありますよね。でも自分がオモチャになってみせることで、男性の妄想を相対化してる感じもします。
「そこまで難しく考えているわけではないんですが……(笑い)。『やっぱり若いオンナはダメだよな~』なんてスケベな感じで話してこられる中高年の方も多いですね。それと意外と若い女性が面白がってくれます」