退職した中高年は心臓病リスクが低くなる…考えられる理由
■ストレスの解消や睡眠時間の確保もできる
運動以外の面から見ても、仕事を辞めても生活の質を維持できるのであれば、退職したほうが心臓病リスクの低下を含め、長寿につながる可能性が高いと考えられます。仕事や人間関係のストレスから解放される人、十分な睡眠時間を確保できるようになる人が増え、健康管理がしやすくなるからです。
これまで何度もお話ししているように、ストレスは心臓にとって大敵です。ストレスを受けると交感神経が優位になり、神経伝達物質のアドレナリンやストレスホルモンのコルチゾールが大量に分泌されて、心拍数が増加したり血圧が上昇して心臓の負担が増大します。また、血糖値やコレステロールの数値も高くなって、心臓病のリスクをアップさせます。
良質な睡眠が心臓を守るというお話も取り上げてきました。通常、就寝時は副交感神経が優位になるのですが、睡眠不足になると交感神経が優位の時間が長くなってしまいます。そうなると、先ほど触れたアドレナリンやコルチゾールが増えて心臓病につながるのです。