ペットの便がおかしい 検便は持参せず受診先で直性採取すべき理由
ワンちゃんもネコちゃんも、お腹の調子を悪くすると、下痢をはじめいつもと違う便になることがあります。「便の色がおかしい」「便に血や虫のようなものがいる」……などと便を持参される飼い主さんは珍しくありません。
それでペットを連れて来られるのならよいのですが、検便や下痢治療の注意点を紹介しましょう。
持参された便を顕微鏡で観察すると、血液や粘膜の細胞、回虫や瓜実条虫などの寄生虫が確認できます。しかし、それらが寄生していても下痢になるのはまれで、多数が寄生することによる栄養失調や合併症がほとんどです。
この場合、駆虫剤の服用が治療ですから、便の持参のみでも検査と治療が成立しますが、ワンちゃんやネコちゃんがノミ対策をしていると、同時に瓜実条虫なども駆虫できるため、瓜実条虫などが寄生する可能性は低くなります。この線は薄いのがほとんどです。
便は時間の経過で乾燥します。仮に胃腸炎を起こすような細菌(カンピロバクター、ヘリコバクターなど)がいたとしても、乾燥した便では本来の動きが失われ、形状から菌そのものを確認することが必須です。