シティホテルの清掃仕事を受注している会社から「正社員」に誘われ、社長と面接
聞けば、これまで大卒者の応募は一人もいなかった。そこに大卒の私が応募してきた。おまけに私が勤務してきた会社は世間的によく知られている。それらをメリットととらえ「あまり給料は出せません。月給25万円プラス賞与くらいですが、午後5時には帰れるよう配慮します」と白木氏は情熱的だ。
後日このことを70代の友人に話したら「そりゃそうだよ。キミみたいな有名企業の社員は中小企業経営者にとって『うちはこんな人材も抱えていますよ』と看板になる。社長も出てきて採用したくなるのは当たり前だ」と言われた。
それを裏付けるように、白木氏は「最初はベッドメーキングなどの実務を覚えていただきますが、いずれは他のスタッフが担当した部屋を見てしっかり清掃できているかを点検する仕事に回っていただきたい」。
一種の管理職として迎えたいというわけだ。
■以前の会社の後輩に見られたくない
ただし客室清掃の仕事は「かなりの重労働」という説明も欠かさなかった。働くのがいやになり、出勤日の午前9時に「昨日親父が死んだ」とウソ電話をかけてきてズル休みし、翌日から来なくなる人もいるそうだ。