「尊厳死」を巡る厚労省の思惑とリビング・ウィル(生前の意思)の必要性を考える
数多くの高齢者に接してきた私は、長生きを重視する高齢者より、いまある人生を楽しむことを重視する高齢者の方が元気で幸せそうに思いますが、もし最期まで自分らしくと思うなら、延命治療の流れが一部で見られる以上、終末医療に関する「リビング・ウィル(生前の意思)」を示しておくことは悪くないと思います。
ただし、延命治療をいらないと考えていた人が、入院したら「やっぱり延命してほしい」と申し出ることは珍しくありません。寝たきりになっても生きていたい、点滴を受けたいなどという話はよくあるのです。
リビング・ウィルは一度書いたら終わりではなく、気持ちの変化によってその都度書き直すことが大切です。どんなことを書いておくか。詳細は、日本尊厳死協会のHPを参考にするとよいでしょう。
私は詳細なリビング・ウィルなど書いていませんが、延命のために血圧や血糖値を下げる、好きな酒をやめる、塩分を控えるなどは拒否しています。死ぬ間際に意識がなくなってからのリビング・ウィルより元気なときにどう医療と向き合うかの方がよほど大切だと思います。