災害避難所対策のお粗末…108市町村調査で「冬の訓練していない」が7割

公開日: 更新日:

 共同通信が、昨年末に日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震で津波被害が想定される北海道から千葉県までの108市町村を調査したところ、冬の避難所訓練をしたことがない自治体が69%もあったという。

 能登半島地震をはじめ近年の大地震は冬の時期が多い。国の日本海溝地震の被害想定では低体温症などで死亡する「災害関連死」は約4万2000人。被災死亡を減らすには日ごろからの想定訓練が不可欠だが108自治体の7割が未実施だった。

 もっとも一概に怠慢だとは言えない。自治体からの国への要望は防寒用品の備蓄や暖房設備であり、政府が冬災害対策に取り組んでいない結果だ。

■「ペット同伴」開設はわずか

 避難所対策でいえば、ペット同伴の専用避難所開設も進んでいない。毎日新聞が東京23区と道府県庁所在地などにアンケート調査をしたところ「専用避難所」を開設できるのは74市区のうち6市のみ。

 環境省は「ペットは家族の一員、飼い主の心のケアの観点からも同行避難が望ましい」としているが、ペット同伴避難所は自治体に一任している。

 犬、猫のペットの数はいまや1800万匹、15歳未満の子ども1500万人よりも多い。

 大災害が起きるたびに再現される対策の遅れだが、今の岸田政権に望むことは無理かも。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    “かつての名門”武蔵の長期低落の深刻度…学習塾「鉄緑会」の指定校から外れたことも逆風に

  4. 4

    「高額療養費制度」見直しに新たな火種…“がん・難病増税”に等しいのに、国家公務員は「負担上限」据え置きの可能性

  5. 5

    論争になった“おじさんパーカ”より「生理的に無理」の声が出たビジネスシーンでのNGアイテムは?

  1. 6

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  2. 7

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  3. 8

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  4. 9

    日本で犬肉食の実態は本当にあるのか調査 デヴィ夫人新党が「犬猫食禁止法」成立を看板政策にブチ上げ物議

  5. 10

    鬼怒川温泉の渓谷に張り付く巨大廃墟群を探る…残された「バブル遺構」が物語るかつての栄華

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  2. 2

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  3. 3

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 4

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  5. 5

    “年収2億円以下”マツコ・デラックスが大女優の事務所に電撃移籍? 事務所社長の“使い込み疑惑”にショック

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…

  3. 8

    日本にむしろ逆風…卓球王国中国で相次ぐトップ選手の世界ランキング離脱と進む世代交代

  4. 9

    「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた

  5. 10

    迷走するワークマン…プロ向けに回帰も業界では地位低下、業績回復には厳しい道のり