洋食レストランの洗い場はまるでチャップリンの「モダン・タイムス」だった
皿洗い編
時給1500円の居酒屋の面接を受けたところ不採用だった。時給が高額なため20代、30代の若者が殺到し、60代の私ははじき飛ばされたのだろう。この推測を補強したのが、その後に受けた洋食レストランの洗い場の面接だった。
昨年9月、店の支配人と面談した。部屋数が10を超える大型店で土日は休業。実は土日も予約が入るのだが働き手が不足しているため、やむなく休みにしているという。
ここは時給が東京都の最低賃金に近い1100円(9月当時)。金額が低いためなかなか応募がなく、苦心しているそうだ。そのせいか、支配人は「面接にお越しいただき、ありがとうございます」と低姿勢である。警備会社の「おまえを雇ってやる」という上から目線とは大違いだ。
あれこれ話して店を出たのが午後3時。1時間もしないうちに支配人から「勤めていただけますか?」と電話がきた。すぐに採用が決まったのは時給が低いからだ。
先日の居酒屋での不合格と今回の合格。そこには金額の多寡によって人間が動く資本主義の原理が働いている。