洋食レストランの洗い場はまるでチャップリンの「モダン・タイムス」だった

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 それはともかく、私は翌日からレストランの洗い場で働き始めた。上半身の白衣は店から貸与。下はジーパンでオーケー。洗い場で先輩男性に指導されつつ、客席から下がってきた皿やナイフ、フォーク、グラスを洗う。コース料理が中心のため、1人のお客に10種類前後の食器を使う。お客が30人いたら、なんと300枚だ。

■1枚10万円の皿がごろごろ

 数の多さも驚きだが、食器の値段も驚異的だ。1枚10万円の皿がごろごろしている。割ったら大変だ。だけどひっきりなしに皿が戻ってくるため、息をつく暇もなく洗い続ける。まるでチャップリンの「モダン・タイムス」である。

 ガンガン洗っているうちに皿を割ってしまうことも。そのときは支配人に自己申告して謝る。支配人は紳士なので「気をつけてください」と注意するだけ。怒鳴りもしない。

 仕事に慣れたら、今度は洗うだけでなく、皿を棚に戻す作業も任された。これが厄介だ。なにしろ食器は大から小まで相当な種類があり、あちこちの棚や倉庫に分散して収納されている。それらの所定の位置をすべて覚えなければならない。トランプゲームの「神経衰弱」をやっているようだ。

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