立ち食いそば店の60代“深夜ワンオペ”は命がけ…敬遠されるのも無理はない

公開日: 更新日:

 なんと食べ放題! しかもうれしいことに休憩中も時給が支払われる。つまり丸々8時間分のギャラがもらえるのだ。

 そんな好条件なのに、なぜ人が来ないのか。疑問をぶつけると近藤氏は「牛丼屋でのことが影響しているようです」と教えてくれた。

■2022年に起きた悲劇

 牛丼屋のこととは名古屋市のすき家で起きた死亡事故だ。2022年1月、深夜ワンオペのバイト女性(58)が勤務中に死亡。死因は心筋梗塞とされた。女性は午前5時半ごろ厨房で倒れ、交代のために出勤してきた従業員に発見されたのは3時間も経過した8時40分だった。ニュースになったから覚えている読者も多いはずだ。

 中高年には「何かの発作で倒れたとき、助けてくれる人がいるか」と心配する人が少なくない。かくいう私もこの1年ほど後頭部に鈍痛を感じ、病院で診察を受けたことがある。厨房の奥は客席から見えにくいものだ。昏倒し誰も気づいてくれなかったら、死の危険が高まる。だから深夜ワンオペは敬遠されるのだ。

 60代の深夜バイトは命がけ。そんな現実を知らされた面接だった。

(林山翔平)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…