児童相談所から長女を奪い返した両親に有罪判決…実の子供でも“連れ去り”は犯罪行為
児童相談所に一時保護された長女を奪い返したとして、未成年者略取などの罪に問われた30代の父親と母親に対する公判が6月14日にありました。公判では、検察側は「悪質性が高く一時保護の実行性が阻害される」とし、父親に懲役2年、母親に懲役1年6月を求刑し結審した。弁護側は執行猶予を求めました。
被告人質問で父親は、長女に帰ってきてほしいという気持ちを優先した、奪い返す行為は合法だと信じ込んでしまったと述べています。
両親が実の娘を家に連れて帰ったことが、なぜ犯罪になるのか、少し違和感を覚えたかと思います。
未成年者略取という言葉はあまり聞き馴染みがないでしょうが、子供やその保護者などの意思に反して暴行や脅迫を用いて子供を支配下に置く行為をいいます。
児童相談所が行う一時保護では、いったんは児童相談所が保護者的な立ち位置になるため、児童相談所の意思に反して子供を連れ去るような行為は、たとえそれが実の両親が行ったものであったとしても、保護者などの意思に反して子供を自身の支配下に置く行為になるため、未成年者略取罪に該当することになるのです。