志摩市立図書館(三重県志摩市)が目指すは「一日中、居られる場所」
外観は東京駅をイメージしたという。
周囲の日本庭園の緑に映える赤レンガ張りの建物は、なるほど東京駅をほうふつとさせる。
「付近は阿児ふるさと公園で、一帯を整備するときに庭園の中に洋風の建物を建てることになったのです」と、志摩市立図書館の澤田千春さんがこう続ける。
「建物の四方に窓ガラスが設置され、ほぼすべての場所に自然な光が入るように設計されています。天井の高いドーム型の吹き抜けがあり、1階の玄関ホールはまるでホテルのようだとおっしゃる方もいます」
確かに、玄関ホールの雰囲気は、どことなく東京ステーションホテルのロビーに似ている。
蔵書は2023年度末時点で約13万8000冊。DVD・CDは2487点。電子書籍は1011点ある。
伊勢志摩といえば真珠の養殖が有名で、「地域の特色として、真珠に関する書籍や雑誌、新聞で手に入るものは可能な限り揃えています。真珠関連の書籍は100冊ほど。真珠の文化や辞典、養殖について書かれたものが多いです」と澤田さん。
1階は一般書コーナー、児童コーナー、郷土資料室、AVコーナー、おはなしの部屋などがある。その場で本を読むことも可能だが、じっくりと腰を落ち着けて読書を楽しみたい人には2階の個人学習室が便利だ。仕切り付きのテーブルが43席もあり、コンセントやWi-Fiが利用できる。
「全フロア、水筒やペットボトルなどフタ付きの飲み物は持ち込みOKです。2階ロビーでは飲食可能です。おはなしの部屋はカーペット敷きになっており、乳幼児を連れた方にも安心して利用いただけるスペースとなっています。自宅、職場に続くサードスペース、過ごしやすく、一日中居られる場所を目指しています」(澤田千春さん)