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内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(32)77歳の“若手ドライバー”に会った!「免許返納」をしたくてもできない人もいるのだ

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 いま、タクシー会社のドライバー不足が深刻だ。所有しているタクシーをフル稼働させることができない状態が続いているようだ。たとえて言えば、働き者の“鵜”の数は揃っているのに、“鵜匠”が不足しているということなのだろう。

 タクシー会社にしてみれば、運転さえできれば誰でも雇いたいという気持ちもあるが、それほど単純な話でもない。事故やトラブルを起こしそうな人間では結果としてコストがかかってしまうし、突然の欠勤などでシフトに影響を与えるようなドライバーでは問題がある。ドライバーの待遇を改善させれば応募者は集まるだろうが、それでは経営が成り立たない。会社側にはそんなジレンマがあるのだろう。

「一度は失業して、どうしたものかと思っていたら、拾う神はいるもんだね。おかげでまたタクシーを始めましたよ」

 ある日、非番の日に偶然街で何年ぶりかで会った同業の知人がそんなことを言う。現在、彼は77歳。勤めていた会社を75歳で「お役御免」になり途方に暮れていた。蓄えもほとんどなく、老夫婦2人の年金もわずか。仕事を辞めたら食べていけない。そんな彼だが、たまたま街で「乗務員募集」のポスターを見て会社に飛び込んだところ、一発で採用になったという。それまで会社の名前さえ聞いたことがない小さなタクシー会社だった。

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