コラムニスト石原壮一郎さん 伊勢うどん愛を語り尽くす「きっかけはコシ至上主義への反発」
最初は「コシ至上主義」への反発がきっかけでしたが、応援すればするほど、伊勢うどんの魅力と奥深さにのめり込んでいきました。やがて地元で「伊勢うどん大使」を拝命し、今もあの手この手でその魅力を太く熱くアピールしています。
何がそんなに魅力的なのか。おいしいのは当然の前提だし、お伊勢参りと深く関係している長い歴史もロマンをかき立てます。さらに、強調したいのが伊勢うどんはそのたたずまいを通じて「多くの大切なことを教えてくれる」という点。
いわば、現代社会に暮らす私たち全員にとっての「生きるクスリ」と言っても過言ではありません。食べれば食べるほど新たな気づきや癒やしを得ることができるでしょう。まだ食べたことがない方はむしろ幸せです。やがて魂を揺さぶられる感動的な出合いが待っているのですから。
■違う価値観をおおらかに受け止める
伊勢うどんはそのコシのなさを通して「何ごとも正解は一つではない」と教えてくれます。「コシがあってもなくても、それぞれにおいしい。相手を否定する必要はないじゃないか」と違う価値観を大らかに受け止める大切さを感じることもできるでしょう。