最強寒波襲来で露呈する能登半島地震「被災地の脆弱性」…懸念される集落孤立と家屋倒壊
「あの日」から1年経ってもなお、被災地はリスクにさらされ続けている。
気象庁によると、日本付近は冬型の気圧配置が強まり、8日から10日にかけて今季最強の寒波が列島を襲う見込みだ。今週後半には東京都心の最低気温は0度まで下がる予報だが、北陸と東北の日本海側は警報級の大雪となる恐れもある。
頭を悩ませているのが、能登半島の被災地だ。多くの地域では水道・電気などが復旧した一方、土砂災害の被害が大きかった地域などでは、いまだに断水が続いている。山間部の多くは、道路が復旧しておらず、大雪に見舞われれば混乱必至だ。
珠洲市で支援活動を行う、一般社団法人ピースボート災害支援センターの大塩さやか氏はこう話す。
「能登半島の先端にある珠洲市などは特にアクセスが悪く、道路復旧の遅れが目立ちます。地震でできた亀裂や穴を舗装してふさいでいますが、大型トラックや重機が何度も通るのでコンクリートがはがれてしまい、そのたび補修の繰り返し。土砂崩れの跡地などに開通させた迂回路は、傾斜が急で道幅も狭い。こうした道路状況なので、大雪になると除雪車が入れなくなる地域が出てくる可能性もある。孤立集落が発生しかねません」