「被害者ヅラ？ どうぞ一人で生きていって」実父の妻へのセクハラ疑惑をスルーする47歳男の事情【冷酷と激情のあいだ～男性編～】
父がセクハラ？ 47歳男性の言い分
「冷酷と激情のあいだvol.231〜女性編〜」では、夫の父親、つまり義父からセクハラまがいの行動を繰り返されている真里さん（42歳・仮名）の不満をお届けしました。
将来の義父の介護を見据えると離婚しかないと考える妻に対して、夫のヨウヘイさん（47歳・仮名）はどう考えているのでしょうか。
【冷酷と激情のあいだ～男性編～】
「あ〜、真里がオヤジからセクハラされてるって話ですよね？ 俺も把握はしているんですけど、まぁセクハラっていうか、ちょっと色ボケジジイになっているっていうか。
おふざけの範囲内なんじゃないかなって思っているんで、そこまで深刻な話じゃないですけどね」
妻が義父に対して強い不満を抱いているのは、把握していると言うヨウヘイさん。しかし問題については「そこまで深刻じゃない」と断言します。
よくある話なのでは？
「よくある話なんじゃないですか？ だって、ガチでセクハラしているわけじゃないですよ？
胸を見てきただの、お尻を凝視されただの言っていますけど、本当にそうなのか俺にはわからないですし。
もしかすると目が悪いオヤジが、たまたま視線をそこに向けていただけかもしれないし。だから俺は、オヤジにこの話はしてないんですよ」
父親を擁護するつもりはないと強調しながらも、妻である真里さんの言葉には一抹の不信感を抱いていると話すヨウヘイさん。
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バリキャリに戻りたいだけ？
その理由は、どこにあるのでしょうか。
「真里はもともとバリキャリでずっとやってきた人で、結婚をしてからは少しゆるキャリになりましたけど、それでも周りの女性たちよりははるかに仕事人間。
結婚しない主義だった彼女を口説き倒して結婚をしたのは俺ですけど、きっと真里は当時も今も結婚生活がどういうものなのかがよくわかっていなくて、想像が甘かったんじゃないかな。
だからね、俺から見ると真里は昔のバリキャリに戻りたいだけなんじゃないの？ って気がするんですよ。
それで義父の問題を実際よりも大ごとに仕立てた上で、それを理由に離婚や別居に進める。そうすれば、また前の仕事第一の生活に戻れるって考えているだけなんじゃないかなって」
離婚するならそれでもいい
ここまで話し終えたヨウヘイさんは、急に声のトーンを落として離婚についての考えを口にし始めました。
「離婚するなら、それでもいいですけどね。真里のほうが俺より稼いでいるから、俺のほうが離婚で得するかもしれないし。
俺もね、正直なところ真里が“妻”や“嫁”になりきれていないところには、ちょっとウンザリしていたんですよ。幸い、子どもがいないっていうか、つくらなかったから、離婚はいつでもできますよね。
オヤジの件は抜きにしても、俺は俺で真里に不満が結構あるんで。そういうのを真里は考えずに、自分だけが被害者みたいな顔をしているから、時おりものすごく腹が立つし、このまま夫婦としてやっていけるのかなっていうのは常に疑問を持っています。
まぁ離婚なら離婚で、いいんじゃないですか。真里は気が強すぎるし、どうぞ一人で生きていってくださいって感じですね」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
（並木まき／ライター・エディター）
