慶応普通部“大躍進”の背景に「慶応ボーイ復権」か? 今年の入試で共学の中等部と正反対の“変化”
「今年の中学受験は上位校で大異変があった」と振り返る大手学習塾幹部が、まず挙げるのは桜蔭の受験者数の大幅減。1994年以来、東大合格者数トップ10を31期守り、女子中高一貫校では圧倒的な実績を誇るが、受験者数は昨年の565人から今年は516人と8.7%も減らした。
「23年は607人だったので、2年連続で大きく減少したことになる。ここのところ難関校を避けて確実に合格を勝ち取ろうとする傾向が強まっているので、予想の範囲内ではあったのですが」
この塾幹部がより衝撃を受けたのは慶応グループの入試だった。“慶応義塾”の冠が付く中学は男子校の普通部、共学の中等部と湘南藤沢。この3校で三者三様の結果が出た。湘南藤沢はほぼ例年通りだったのに対し、普通部と中等部で大きな変化があった。正反対の動きを見せたのである。
普通部の今年の受験者数は630人。昨年の526人から19.8%も増えた。「特別な事情があればともかく、あまり耳にしたことのない増加率」だった。一方、中等部の男子受験者数(1次)は722→672人で6.9%減。塾幹部が驚いたのはこの両校の結果が「時代と逆行」するものだったからだ。