犬の「アトピー性皮膚炎」新薬の服用方法は? 毎日ではなく、頓服での利用も検討を
かゆみの神経伝達をブロックしても、長期投与していると、やがて別のルートの神経伝達ができることがあり、そうすると薬を使用しても、かゆさが戻ることがあるのです。実際、獣医師の間では、長期投与で効果が下がっているという話をよく聞きます。
そんな事情から当院では、元からある薬も長期投与はせず、「頓服で使用してください」と飼い主さんに伝えていました。それでかゆみや皮膚の状態が悪くなったと困る飼い主さんはほとんどいません。逆に、薬が効いてきたことに喜んで、私のお願いを無視した飼い主さんは、次第に薬の効き目が落ちてきて、最終的に困った状態に戻ってしまっています。
この経験を踏まえると、新薬を処方するときも飼い主さんには、頓服での使用をお願いしています。前の薬の経験を踏まえれば、それが妥当でしょう。
アレルギーは、アレルゲンに触れるなど暴露されたときに症状が悪化しますから、どんなときに悪化するのか分かれば、薬を毎日使用せずとも、必要なタイミングがある程度分かると思います。
アトピーに悩むワンちゃんの飼い主さんがもし薬を毎日使用しているのであれば、新薬に切り替える際、「新しい薬も毎日使用しないとダメですか?」とかかりつけ医に確認して服用方法の再検討を促すとよいかもしれません。
(カーター動物病院・片岡重明院長)