5月の売上高は6~8割減 再開後もデパ地下頼みで客足戻らず
「再開しても、見込んでいたほどの成果は上げられていない」と話すのは高島屋の社員。同社は5月中旬から次々に全館営業を再開した。
「客足はだいぶ戻っていますが、売り上げに結びつかない。子供服などは前年より上回っているものの、全体的に見ると全然ダメ。お中元商戦も期待薄です」(同)
5月のマイナス幅が最も小さかったそごう・西武は綿密に計算された再開時期が功を奏した。全店舗で食品売り場は営業を継続し、5月中旬から段階的に全館営業に踏み切っていった。
5月30、31日の売上高は前年同期比約10%減。前出の伊勢丹新宿本店と同じだが、それは1店舗だけの数字。三越銀座店(約40%減)などグループの他店舗データは入っていない。一方、そごう・西武の売上高は全15店舗のデータを反映した数字だ。それでも、そごう・西武の親会社セブン&アイ・ホールディングスの幹部は「危機的状況は変わらない」とこう話す。
「百貨店の業態そのものが限界にきている中で、新型コロナが追い打ちをかけた格好。一気に百貨店業界が後退していくのではと危惧している」