著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

後ろ向き経営の三越伊勢丹にコロナ禍が容赦なく追い打ち

公開日: 更新日:

「3月決算がアダになった」とぼやくのは百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングス(HD)の中堅社員。5月11日に発表された20年3月期(19年度)の業績は売上高1兆1191億円(6.5%減)、営業利益156億円(46.4%減)、そして最終損益は111億円の赤字だった。各マスコミは「百貨店大手で唯一赤字に転落」と報じた。

新型コロナウイルスの影響を大きく受けた3月の数字が入っているか、入っていないかで明暗が分かれた」(中堅社員)

 百貨店大手5社のうち、高島屋、J・フロントリテイリング(大丸松坂屋)、セブン&アイHD(そごう・西武)が2月決算。三越伊勢丹HDとエイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神)が3月決算だ。なお、阪急阪神は5月12日に決算発表の予定だったが、25日に延期している。

 たしかに3月の業績が決算数字に反映されているかどうかは小さくない問題だ。が、5社の中でもっとも冴えないのが三越伊勢丹であるのはまぎれもない事実。4月の売上高は前年同月比90.2%減と、大手5社の中で唯一、マイナス幅が90%を超えてしまった。4月の数字が他社より著しく悪い理由ははっきりしていると、中堅社員は説明する。

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