サリバテック 砂村眞琴CEO(1)膵臓がんのスペシャリストは社長と医師の「二刀流」
日本人の2人に1人がかかるがん。早期発見できれば不治の病ではない。だが、長引くコロナ禍でがん検診が停滞。今後、進行がんの増加が懸念される。保健当局は「がん検診は不要不急の外出には該当しない」と受診を呼びかけているが、感染が不安で二の足を踏んでいる人も多いだろう。
そうした人たちの強い味方になっているのが、唾液1滴で検査できる、がんリスク検査「サリバチェッカー」だ。唾液中の代謝物をAIで解析(メタボロミクス)することで、体に負担をかけることなく、肺がん、大腸がん、膵臓がん、口腔がん、胃がん、乳がんの6種のがんの罹患リスクを判定できる。
2017年のリリース以来、全国1400の医療施設で導入。家庭用検査キットも好評だ。トータルの販売実績は21年4月から22年1月末までで1万2000件。前年同期比1.6倍だ。
このサリバチェッカーを開発・販売しているのが、山形県鶴岡市に本社を置く「サリバテック」。ちなみにサリバとは英語で唾液という意味である。
代表取締役の砂村眞琴は、東京・練馬の「大泉中央クリニック」の院長も務める現役の医師。いわば医者と社長の二刀流だ。