中国経済の不透明感、日本株の投資妙味…景気循環から見る景気の先行き
資本主義には景気循環(景気変動)がある。「好況、景気後退、不況、回復」を繰り返して経済成長。主なものは、長期循環(コンドラチェフの波)の50~60年(半世紀)周期、中期循環(ジュグラーの波)の6~10年周期、短期循環(キチンの波)の40カ月周期だ。
内閣府の経済社会総合研究所の景気循環を見ると、いまの日本経済は第16循環(谷2012年11月、山18年10月、谷20年5月で、拡張71カ月、後退19カ月、全循環90カ月)、まさにジュグラーの波が終わり、いまは20年5月を起点とする第17循環に入り、23年11月時点で、拡張43カ月とみられる。現在、拡張の中でのキチンの波の景気減速とすれば、この先、景気回復に入る可能性はある。
この景気変動の要因はさまざまだが、代表的なものに「過剰投資説」があり、過去のバブル崩壊やいまの中国の不動産にも表れている。
投資対象として中国のウエートは上がらない。他方、岸田政権の「新しい資本主義」「貯蓄から(株式)投資へ」の日本株には投資妙味があろう。24年から25年にかけてドル安・円高に転換、あるいは社会主義中国の景気が回復すれば、その時、海外投資家は日本株の利益確定の好機となる。
海外投資家が中国や日本の先行きをどう見るか。12月の日本株への売買動向で明らかになるだろう。