大阪万博にイスラエル正式参加…「いのち輝く」理念から乖離も日本「NO」言えない情けなさ
〈世界の人びとと、「いのちの賛歌」を歌い上げ、大阪・関西万博を「いのち輝く未来をデザインする」場としたい〉──。2025年大阪万博を主催する日本国際博覧会協会(万博協会)のうたい文句だ。もっともらしい言葉を並べているが、実態は理念に反している。
パレスチナ自治区ガザでの国際人道法違反を指摘されているイスラエルが、万博への正式参加を表明。書簡を29日付で日本側に送付した。日本政府は参加を認めているが、イスラエル軍の一方的な攻撃によって、ガザは子ども1万3000人以上を含む3万2552人が死亡。惨状は極まる。
先月29日の参院外交防衛委員会で、共産党の山添拓議員がイスラエルの万博参加と万博理念の整合性を問題視。ウクライナ侵攻を続けるロシアが昨年11月に万博参加取りやめを表明した際、松野官房長官(当時)が「ロシアによるウクライナ侵略は万博の理念と相いれない」と発言したことに触れ、「現在のイスラエルは相いれるのか」と問いただした。
上川外相は「イスラエルの行動が国際法と完全に整合的であるとの法的評価を行っているわけではない」と強調。上月経産副大臣は「ロシアの行動と同列に扱うことは適当ではない」と言葉を濁した。