私欲の茂木幹事長vs私怨の麻生副総裁…自民裏金議員処分「御身かわいさ」の見苦しい舞台裏

公開日: 更新日:

 派閥パーティー裏金事件をめぐり、自民党は4日夕方開く党紀委員会で39人の処分を決定する。当初「選挙での非公認」だったのが、より厳しい「離党勧告」になるなど、日替わりメニューで処分案がコロコロ変わる。その舞台裏は党執行部のメンメンの私利私欲と私怨私憤にまみれている。

 ◇  ◇  ◇

 検討されている処分案はこうだ。

 安倍派については、キックバック復活の謀議に加わった塩谷立下村博文両元文科相、西村康稔前経産相、世耕弘成前参院幹事長の4人の政治責任を重視。座長だった塩谷氏と参院側トップだった世耕氏が党規約で2番目に重い「離党勧告」、下村氏と西村氏は3番目の「党員資格停止」とする方向だ。

 不記載額が5年間で1000万円以上2000万円未満だった議員は「党の役職停止」、500万円以上1000万円未満は「戒告」だという。500万円未満は茂木幹事長による「注意」だけで処分対象ではない。次期衆院選への不出馬を表明した二階元幹事長も処分対象から外された。

 ギリギリまで揉めているのは、安倍派幹部の残る3人、松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、萩生田光一前政調会長と、二階派事務総長だった武田良太元総務相の扱いだ。中でも萩生田氏については「事務総長経験者ではない」として、「党の役職停止」など軽めの処分が浮上。そこには「ポスト岸田」を睨んだ茂木幹事長の意向が絡んでいるという。

「茂木幹事長が萩生田さんへの軽い処分にこだわっている。萩生田さんに目をかける森元首相への配慮もあるのだろう。不記載議員らは85人なのに半数を処分に付さない500万円の線引きを決めたのも茂木さんです。目的は総裁選。萩生田さん以下、安倍派の若手・中堅を取り込もうとしている」(自民党関係者)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    PR会社社長ダンマリ一転、全部ブチまけ“逆襲”の可能性…note投稿は斎藤知事と事前合意済みか

  2. 2

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 3

    斎藤元彦知事の選挙収支報告書で露呈した“隠蔽工作”の跡 PR会社への支出は代表務める政治団体経由という不可解

  4. 4

    杉田水脈がハシゴ外され参院転出に“赤信号”…裏金非公認の免罪符「政倫審」弁明は現職のみ

  5. 5

    不動産投資信託「J-REIT」低迷のワケ…マンションさらに高騰、オフィスも堅調なのにナゼ?

  1. 6

    「日本電解」経営破綻が波紋…上場企業では今年初、再建の道筋いまだ見えず

  2. 7

    自民裏金議員にまた公選法違反疑惑…福島地盤元職の関係先が家宅捜索されたと地元紙スッパ抜く

  3. 8

    企業・団体献金「廃止」を拒む組織内議員の実態…前回参院選直前には労組関連から5.3億円

  4. 9

    京成電鉄がオリエンタルランド株を一部売却…背景にある英アクティビストとの熾烈な駆け引き

  5. 10

    自民党ニンマリ…参院「裏金議員27人」出席の政倫審をNHKは“9時間”生中継するのか?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁