高島屋など大手の決算は絶好調も…インバウンド頼みで百貨店は今後どうなる?
世の中が不況にあえぐ中、アッと驚く好景気だ。インバウンド需要を背景に、百貨店の売れ行きが絶好調だというのだ。
大手百貨店が16日までに発表した2024年2月期の決算では、軒並み売上高が前年より増えている。高島屋は前年比8%増の9521億円。大丸と松坂屋を経営するJ・フロントリテイリングは、前年比15.3%増の1兆1519億円だった。
銀座と浅草に店舗を持つ松屋にいたっては、前年比31.2%増の1149億円という仰天の数字だった。銀座店では、全体の3分の1近くを占める免税売上高が、前年比なんと313%増の337億円。店舗の総売上高は1018億円と、過去最高を更新。インバウンド需要の恩恵を全面的に受けている格好だ。古屋毅彦社長は「銀座は海外のお客さまの明確な目的地になりつつある」と話した。
一方で、苦境に立たされる百貨店も少なくない。東京商工リサーチ情報部の増田和史氏はこう話す。
「インバウンドの客を取り込めるかどうかが、経営に大きな影響を及ぼしているようです。大都市の百貨店はインバウンドが見込める一方で、地方都市は厳しい。特に地方では老朽化した建物を建て替える余力がなく、廃業を選択するケースが多いようです」