なぜ辞退しない? 円安物価高の“A級戦犯”黒田東彦・前日銀総裁に「叙勲」のブラックジョーク
罪の意識も反省もゼロ
「戦犯に叙勲とは、ブラックジョーク以外の何ものでもない」と言うのは経済評論家の斎藤満氏だ。こう続ける。
「だから最初は笑っちゃったんです。でも、岸田自民党の体質が現れた結果だと、ある意味、納得しました。国民に奉仕した人ではなく、政府に協力した人に勲章を授与する。黒田さんは自民党政権を支える上で大きな貢献をしましたからね。国民の認識との乖離は大きい。もっとも、岸田首相が国民感覚からズレているから、補選で全敗したのでしょうが」
黒田氏は現在、政策研究大学院大学や京大大学院で教鞭を取り、新たなライフステージを謳歌している。今月1日に米コロンビア大で講演した際は、植田日銀のマイナス金利解除について「正常化の第一歩」だと評価し、「足元の円安は行き過ぎ」とも指摘していたと日経新聞が報じていた。罪の意識も反省もゼロ。能天気にもほどがある。
叙勲には過去に辞退者もいる。最近では、一昨年に参院議員を引退した二之湯智・元国家公安委員長が、「国家公安委員長として、安倍元首相の銃撃死へ責任を感じている」との理由で、昨秋の旭日大綬章受章を辞退している。
勲章の親授式は来月9日に皇居で行われる。まだ間に合う。黒田氏も辞退したらどうか。