進まぬ中小企業の「在宅勤務」導入…大手と二極化で広がる採用格差
働き方を巡っても、はっきりと差が表れた。
東京商工リサーチ(TSR)が19日発表した企業調査によると、「在宅勤務」体制が企業規模によって二極化している。今月1~13日に7193社を対象に行ったアンケートでは、「在宅勤務」を認める企業は大企業が約4割(36.5%)に対し、中小企業は約2割(19.5%)にとどまった。
新型コロナウイルス感染症対策で広がった「在宅勤務」だが、中小企業にとっては対応が難しい。業務の達成度や労務面など人的管理の負荷が大きいほか、パソコンやVPN、システムなどの設備負担が重くのしかかる。
「前提として、中小企業の方が人的リソースが不足しており、分業化が進んでいません。一人一人の仕事が多岐にわたるため人員に余裕がなく、『在宅勤務』の社内システムの構築が難しい状況です。デジタル分野を担う人材を雇おうにも、採用難で確保できないことも影響しています」(TSR情報本部)
「文化放送キャリアパートナーズ」が昨年11月に実施した、2025年卒業予定の学生を対象とした調査で、「志望企業・業界を決めていく中で、テレワークの実施状況も影響するか」という質問に対し、「はい」「どちらかといえばはい」という答えが、67.3%に上った。