著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

A面の歴史には出てこない中江兆民の息子「中江丑吉」という傑物

公開日: 更新日:
頭山満。国家主義者、黒竜会会長(昭和9年6月20日)/(C)共同通信社

 実は中江兆民には中江丑吉という子どもがいました。

 中江兆民は反政府の論を書いたために明治政府から東京には住むなと言われ、大阪に居を移します。そこで生まれたのが丑吉でした。

 丑吉は東京帝国大学を卒業後、中国に渡り、ほとんど日本に帰らなかった人です。北京で南満州鉄道…

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