トランプが大統領令でDEI禁止…アメリカのダイバーシティーは終わったのか
第2次トランプ就任式から1週間、大量に発令された大統領令がさっそく実行に移されている。中でも不法移民の強制送還への着手は早く、大都市では不法移民と見なされた人々が拘束され、連日ニュースとなっている。
その中で、市民の多くが同様に強く懸念しているのは、DEI(Diversity Equity and Inclusion)の禁止条項だ。ダイバーシティー・エクイティー&インクルージョンは、人種的マイノリティーから女性・LGBTQまで、歴史的にハンディを負った層に社会で公平なチャンスを与えるために考えられた措置で、そのルーツは1960年代の公民権運動に遡る。バイデン前政権は特にこの動きを強く推し進めた。今では日本の大企業でも主に女性の雇用において採用されている。
ところがトランプは大統領令で、まずアメリカの雇用におけるDEIを禁止した。特定の層を優遇することで、それ以外の層を逆差別し、社会の分断を促進するというのがその理由だ。今後は肌の色や性別にかかわらず実力主義で採用する「カラーブラインド」社会を目指すという。