著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

トランプが大統領令でDEI禁止…アメリカのダイバーシティーは終わったのか

公開日: 更新日:

 そう言えば聞こえはいいが、問題はそこに、1965年の雇用機会均等令の撤廃も盛り込まれていることだ。労働者を人種や性別で差別することはできないという、公民権運動時代の大統領令の廃止は、DEIを大きく超えて女性やマイノリティーの権利の縮小であることは明らかだ。

 アメリカでは女性の賃金はいまだ男性の84%にとどまっている。また白人家庭の収入は黒人の1.6倍、貧困率を比べてもとても公平とは言えない。奴隷制時代の名残を強く残す制度的差別が大きな原因だ。だからこそ「特権」を持つ白人とのバランスを取るために、DEIの推進が必要と考えられてきた。

 DEIは#metoo運動やブラック・ライブズ・マター運動を通じ急速に浸透した。それに対し逆差別されていると感じた白人男性の反感を、トランプが掘り起こしたとも言える。

 さらにアメリカはマイノリティー移民の流入で、2045年には白人人口が半数を割ると予測されている。それを見越し白人がパワーを維持するための対策が、トランプのマイノリティー移民排斥でありDEI廃止でもあるという見方も強い。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した