石破首相を襲う「岸田前首相の呪い」…10万円商品券配布めぐり、政倫審出席グズればイメージさらに悪化
「しかも今回の商品券問題は、石破首相の身から出たサビ。当時の旧安倍派幹部と同じ立場とも言えます。政倫審出席をグズればグズるほど、前例をつくった岸田さんと比較され、イメージダウンは必至。急落した支持率をますます下げるだけでした」(自民関係者)
■高額療養費の迷走も前任者の積み残し
前任者の“遺産”が石破首相に重くのしかかったわけだが、支持率急落の要因である高額療養費制度を巡る迷走も、本をただせば岸田前首相にたどり着く。きっかけは、そもそも岸田前首相が言い出した「異次元の少子化対策」の財源確保のためである。
岸田政権は年間3.6兆円規模の対策を打ち出したが、「増税メガネ」の悪名を気にした岸田前首相は増税議論を回避。ロクに財源のアテもなく、1.1兆円を社会保障費の歳出削減で賄うとして、お茶を濁した。財務省は「無理な宿題」を押しつけられ、急ごしらえで高額療養費の見直しをひねり出したのだ。
岸田氏は首相時代に「三頭政治」と称された麻生前党副総裁、茂木前幹事長と再び接近。党内の「石破降ろし」の動きに、高みの見物を決め込んでいる。「岸田の呪い」に苦しむ石破首相にすれば、はらわたが煮えくり返る思いに違いない。