首位広島 もう一つの敵はセ4球団に蔓延する“諦めムード”
29日の巨人戦。2点をリードされた九回2死からヤクルトの畠山が起死回生の逆転3ランを放った。意気上がる三塁ベンチ、呆然とする巨人ナイン。こんな劇的な展開になれば、普通ならここで勝負が決する。が、普通じゃないのが今のヤクルト。その裏、巨人に2点を取られ、あえなくサヨナラ負けを食らった。
巨人の原監督(55)は興奮しながら、「ヤクルトとはこういう展開が多いよね」とニヤリ。確かに「こういう展開」をつい最近もやっていた。
16日の神宮での一戦である。ヤクルトは3-5の八回に巨人の山口、西村から4点を奪って7-5と逆転。九回に3点を取られて試合をひっくり返され、その裏の2死からバレンティンの本塁打で同点としながら、結局は延長戦であっさり敗れた。巨人からすれば、「接戦が多い」というより、「負け試合を勝たせてもらっている」ようなものだろう。
巨人とヤクルトでは戦力に差がある。その上、昨季の最多勝右腕の小川が骨折で戦線離脱してしまっては、いよいよ厳しい。
それはわかるが、そもそも開幕前からある選手は「この戦力で巨人とやりあうなんて、厳しいというよりムリですよ」と言っていた。チーム内にはハナから諦めムードが充満。それがゲームに出ている。巨人はラクなものである。