サイクル安打達成 広島“格安”助っ人ロサリオの「契約秘話」
「とてもうれしい! 最後の打席と思ったので、内野安打になれと思って一塁まで全力疾走した。ありがとうございます」
巨人との首位攻防戦には敗れたものの、リーグ史上31人目のサイクルヒットを達成した広島のロサリオ(25)が笑顔で快挙を喜んだ。
今季5試合目の1番に座ったドミニカンは、初回に先頭打者本塁打を放つと左翼フェンス直撃三塁打、四球、右翼フェンス直撃二塁打で王手をかけ、最後は全力疾走の三塁内野安打で決めた。
ドミニカ共和国のカープアカデミー出身のロサリオ、その原点は06年から12年まで所属したカージナルスにある。カージナルスは、マイナー選手に守備位置までの全力疾走、ベンチからの声出しなど、野球に取り組む真摯な姿勢を徹底的に叩き込む。
「ムラッ気があってアバウトな性格だったロサリオは、カージナルスの7年間で結果を残せなかったが、野球に対する誠実な態度が身についたようだ。広島では、コーチの教えをまじめに聞いて、打撃技術も良くなっている。母国語はスペイン語ですが、英語を必死で学んで、ある程度の会話はできるようになった。5月に好調をキープしながら外国人枠の関係で二軍落ちしたときも、キレることなく素直にチーム方針を受け入れていた」とは、地元マスコミ関係者。この日の試合後の記者会見でも、たどたどしい英語で、一生懸命に話をしていた。