アギーレ解任に“及び腰”…協会内に渦巻く「責任回避」の思惑
「公益財団法人は言い換えれば公金を使っているということでしょう。八百長と言ったら、刑事罰が下る大問題じゃないですか。ハッキリしたことは言えないまでも、団体の幹部も経過くらいは国民にきちんと説明する義務がありますよ。なのにノーコメントというのは、いくらなんでも無責任ですね」
作家の麻生千晶氏がこう指摘するように、今回のハビエル・アギーレ監督(56)の八百長疑惑は、単なるサッカーサークル内の問題にとどまらない。
疑惑の人物を招聘して山ほどカネを払って日本代表監督に据えたサッカー協会はれっきとした公益財団法人。内閣府に公益性が高いと認定され、税制上の優遇措置を受けている団体だ。
つまりサッカー協会には、結果として国民が額に汗して稼いだ税金の一部がつぎ込まれている。だからこそカネの使い方も含めて公明正大であるべき。いい加減なことは看過できないのだ。
疑惑が告発という具体的な形に発展したいま、アギーレ監督は絶体絶命だ。スペイン検察庁反汚職課がバレンシア裁判所に提出した告発文には、サラゴサの会長からアギーレ監督の口座に振り込まれた日付と金額が詳細に記されているとか。スペインの地元紙はサラゴサの会長がアギーレ監督らに八百長を指示して同意を得たことを示す書類まであると報じている。