アギーレ解任に“及び腰”…協会内に渦巻く「責任回避」の思惑
要するに限りなくクロに近いグレーなのに、アギーレ監督本人も、徹底追及してしかるべき協会も逃げの一手。アギーレ監督は相も変わらず「問題ない」と開き直っているし、協会幹部もアギーレ監督の言うことを真に受けてるだけだ。スポーツ紙どころか一般紙にも「八百長」の単語が氾濫したからかさすがに重い腰を上げ、17日にはJFAハウスで緊急首脳会談を開催。川淵三郎最高顧問(78)、小倉純二名誉会長(76)、大仁邦弥会長(70)が集結したものの、どこまで本気なのか。原博実専務理事(56)が個人的なパイプを使って調査する以外、表立って動いているのはアギーレ監督自身の顧問弁護士らしい。これではマトモな調査など期待できるはずがない。
■違約金発生や名誉毀損の可能性も
スポーツライターの工藤健策氏はこう言った。
「本来なら公益性の高い組織ですから、自分たちの考え方、ここまでに至る経緯をサッカーファンだけでなく、国民に明示する義務があります。それをやらない、やれない理由のひとつは原専務理事に対する協会の配慮でしょう。スペイン語を話せて欧州人脈もある原さんが今回、アギーレを招聘した。本来なら原さんが責任を負うべきですが、原さんの協会内での人望は絶大。アギーレがクビになれば、原さんも責任を負わなければならない。それを避ける意味で、協会はこの問題を先送りしているのでしょう。アギーレにしても自分から身を引くことはありませんよ。特に今回は八百長を認めて辞めたら、自身の今後に大きく影響します。だからこそ最後まで徹底的に粘るつもりでしょう」