オシムも疑問符 「日本人代表監督」が誕生しない本当の理由
日本代表次期監督に内定しているハリルホジッチ前アルジェリア代表監督(62)。サッカー協会技術委員会は元代表監督で同胞(ボスニア・ヘルツェゴビナ)のオシム氏に人選を相談した。
そのオシム氏が共同通信社の取材に対して「日本では欧州の有名監督が求められている」と前置きした上で、「なぜ欧州で素晴らしい選手生活を送った日本の元選手を起用することを思いつかないのか」とコメントしている。
技術委員会は新監督の条件として「W杯などレベルの高い舞台で采配を振った経験」を挙げた。日本人指導者で該当者は98年フランス、10年南アW杯で指揮を執り、南アでベスト16入りした岡田武史氏しかいない。今後、指導者として期待され「欧州で素晴らしい選手生活を送った元選手」は中田英寿(元ローマ)、現横浜Mの中村俊輔(元セルティック)くらいしかいないが、この2人は代表監督に必要なS級ライセンスを保持しておらず、ポスト・アギーレになり得ない。
スポーツライターの平野史氏がこう言う。
「広島でJ連覇を達成した森保一監督、G大阪で昨季3冠の長谷川健太監督、あとロンドン五輪4位の関塚隆元五輪代表監督の3人が代表監督候補に挙げられるが、たとえばW杯の試合中に誰を途中交代させるのがベストなのか、適切な判断力は経験値によって左右される。日本サッカーはまだまだ世界トップとはレベル差があり、どうしても指揮官の力に頼らないと勝てない。日本人の出番はまだ先の話なのです」