“札付き”の医師が手術回避 順調マー君につきまとう再発不安
アルチェック氏は、13年の球宴でナ・リーグの先発投手を務めたマット・ハービー(25=メッツ)の主治医でもある。同氏は一昨年8月に右肘靱帯の部分断裂が発覚したハービーに当初、PRP療法を施した。田中と同様に手術を回避して翌年の開幕からの復帰を目指したが、結局、手術する羽目に。結果として14年のシーズンを棒に振った。
PRP療法は組織の治癒力を促して患部の再生を図るもので、医学的効果は証明されていないし、断裂した靱帯を完全に修復するものでもない。回復具合にしても、個人差があり、治療してもハービーのように手術を強いられるケースは珍しくないのだ。田中はハービーの前例があるアルチェック医師の診断を受けただけに、余計に不安がつきまとう。
オープン戦が順調でも開幕した途端に患部を痛めて再発するケースは枚挙にいとまがない。田中は今後も不安を抱えながら投げ続けることになる。